秘密
*その4*
コーヒーをデスクに置くと、課長が視線を上げた。
「コーヒーどうぞ。さっきはありがとうございました。」
「いや、仕事を回してしまってすまない。コーヒーありがとう。」
いつもはヘラヘラしている課長がなんだか違う雰囲気で話すのを見ている。
暫くして。
「仕事終わったか?」
話しかけられて、はい、と返事をした。
「じゃあ帰るか。飯食いにいこうか、遅くなったし。帰りは電車か?」
矢継ぎ早に言われて、断る間もなくあれよあれよと言う間に気付けば課長の車に乗っていたあたし。
(えーと。なんでこうなったの?)
苦手意識しかなかったから、普通に喋ってみたら、なんてことない先入観だったのがわかるくらい課長はスマートな人だった。
とても雰囲気のいいイタリアンに連れていかれ、美味しい料理に荒んだ心が癒されて行く。
モテ男なだけあって女性の扱いが上手く、一緒に居ると周りの目が課長に向いていることに気付かされる。
(すごいな、この嫉妬の眼差し。彼女なんかになったら、針の筵みたいな状況よね。)
くわばらくわばら。
「早瀬はなんで合コンに否定的なんだ?」
突然の質問だった。
◇◇◇◇◇
「早瀬はなんで合コンに否定的なんだ?」
疑問をぶつけてみる。
その実、自分も合コンには否定的な方だ。
彼女はなんて答える⁇
とても興味がある。
「中身がないからです。」
バッサリと切って捨てた。中身がある合コンなんて聞いたことがないが。
「なるほどなぁ。」
ちゃんと相手を見てるってわけだ。
嫌な経験でもしたかな。
「恋愛なんてしなくたって生きていけますから。私には必要ないんです。」
まるで世の男性全てを拒否するかの様な言葉。
よほどの辛い経験が彼女を変えたのだろう。
「人は一人じゃ生きていけないものだよ。」
「私は一人で生きて行きます。」
やんわりと否定してみたら、食いついてきた。
一筋縄ではいかない感じだな。
じっと彼女の表情を見つめ続けていると、不思議そうな顔をして、彼女が首をかしげた。
「君も大切な人が出来たらわかるよ。」
そう告げて彼女をうちまで送り自分も帰路についた。
なぜだかやる気が出てくる。
彼女を本気で落としてみようか。
「コーヒーどうぞ。さっきはありがとうございました。」
「いや、仕事を回してしまってすまない。コーヒーありがとう。」
いつもはヘラヘラしている課長がなんだか違う雰囲気で話すのを見ている。
暫くして。
「仕事終わったか?」
話しかけられて、はい、と返事をした。
「じゃあ帰るか。飯食いにいこうか、遅くなったし。帰りは電車か?」
矢継ぎ早に言われて、断る間もなくあれよあれよと言う間に気付けば課長の車に乗っていたあたし。
(えーと。なんでこうなったの?)
苦手意識しかなかったから、普通に喋ってみたら、なんてことない先入観だったのがわかるくらい課長はスマートな人だった。
とても雰囲気のいいイタリアンに連れていかれ、美味しい料理に荒んだ心が癒されて行く。
モテ男なだけあって女性の扱いが上手く、一緒に居ると周りの目が課長に向いていることに気付かされる。
(すごいな、この嫉妬の眼差し。彼女なんかになったら、針の筵みたいな状況よね。)
くわばらくわばら。
「早瀬はなんで合コンに否定的なんだ?」
突然の質問だった。
◇◇◇◇◇
「早瀬はなんで合コンに否定的なんだ?」
疑問をぶつけてみる。
その実、自分も合コンには否定的な方だ。
彼女はなんて答える⁇
とても興味がある。
「中身がないからです。」
バッサリと切って捨てた。中身がある合コンなんて聞いたことがないが。
「なるほどなぁ。」
ちゃんと相手を見てるってわけだ。
嫌な経験でもしたかな。
「恋愛なんてしなくたって生きていけますから。私には必要ないんです。」
まるで世の男性全てを拒否するかの様な言葉。
よほどの辛い経験が彼女を変えたのだろう。
「人は一人じゃ生きていけないものだよ。」
「私は一人で生きて行きます。」
やんわりと否定してみたら、食いついてきた。
一筋縄ではいかない感じだな。
じっと彼女の表情を見つめ続けていると、不思議そうな顔をして、彼女が首をかしげた。
「君も大切な人が出来たらわかるよ。」
そう告げて彼女をうちまで送り自分も帰路についた。
なぜだかやる気が出てくる。
彼女を本気で落としてみようか。