雨が降る、恋が降る。
「俺の事はいいから、早くしたら?」
「え、あ、うん。そうだね」
そう言われたことに若干ショックを受けつつも、私は出席番号順にノートを並べる。
ルーズリーフの切れ端に、提出していない番号を書きだし、重たいそれを抱える。
いや、―――持とうとしたんだ。
「これ、磯山【いそやま】に出せばいい?」
「え、あ、うん。そうだけど…」
「ふうん」
そう言えば、三浦くんはなぜかそれを持ってスタスタと歩いて行く。
今のこの状況が飲み込めていない私は、未提出の番号を書いたルーズリーフの切れ端を持ち、ひたすら、
「ちょっ、待って!三浦くん!」
三浦くんの名前を呼んで、着いて行くだけ。