衝動的な短編集ですけど何か?
「まずね、笹倉先生は何百人もの不良に絡まれるの」
「おぉ…、初っぱなからそれかっ!」
亜子は拳を握りしめ、楽しそうな表情を浮かべて彼女の言葉を待つ。
「それでね、不良たちを異世界から召喚したオノで斬り刻むの」
「異世界から召喚!? 何故にオノっ!」
「やっぱりそこを突っ込むのね。そして斬り刻むには反応しない、と」
「そりゃあね。だってそれくらい先生普通にしそうだもん」
シレッと亜子は答えるが、次の瞬間にはハッとして辺りをきょろきょろと見渡しホッと息をつく。
「……、良かったわね、笹倉先生いなくて」
「うん。いたら何されるか分かったもんじゃないからね」
「確かに」
ウンウンと同意を示す苑加にそれより、と彼女は先を促す。
「…あぁ、それでその不良たちが実は全員先生の教え子だったのよ」
「マジかっ! 先生残酷っ!最低っ!」
そう批判してまた辺りを見渡す亜子に苦い笑みをもらすが、とりあえずそこにはふれず話を進める。