衝動的な短編集ですけど何か?
「UFOの中には米粒ほどの小さな宇宙人がいっぱいいたわ」
「え、可愛いじゃんっ!」
「みんな同じ顔の」
「ごめん、キモいわ」
手を小さく上げて即答する彼女にでしょ?と乾いた笑みを浮かべる苑加。きっと彼女はそれを思い出してしまったのだろう。
「……まぁ、それで先生も同じことを思ったのか、無言で遠慮なしにその宇宙人を踏みつけてUFOをのっとった」
「わー、助けてもらった恩を仇で返したのか先生は」
「そう。だけど直ぐにそのUFOの倍の大きさのUFOに体当たりされたの」
「へっ!」
変顔をして笑うその亜子の顔は馬鹿にしているのが丸わかりだ。
「そんな中、UFOの中にあった人間用の鎖を発見して脱出」
「チッ、潰れてしまえばいいものの」
「残念。先生は無表情でその鎖を近くにあった巨大な木に巻きつけ一回転して木の枝に着地」
「えー」
亜子は机に顎をくっつけて不満そうに頬を膨らます。
「まるでドラマのワンシーンみたいだったっ!」
「いや、それ夢だからね。ドラマじゃないからね」
スパッと彼女は苑加に素早くツッコミを入れた。