等心大〜tou・sin・dai〜
その晩、私は夢を見た。
小さな小さな赤ちゃんを
私は抱いていた。
赤ちゃんは
すやすやと眠っている。
友貴がいつのまにか隣にきて
赤ちゃんを
愛おしそうにのぞきこむ。
二人で
微笑みあうと
赤ちゃんが大きなあくびをして
目を、覚ました。
その赤ちゃんの顔は
大川さんにそっくりな顔。
友貴は
とても哀しそうな顔をして
黙って、去っていく。
後ろ姿を
私はただ見つめるしかなかった。
ごめんね。
ごめんね。
ごめんね。
Pipipipipi…
――夢。
目を覚ますと
頬が涙で濡れていた。
寝ながら泣いていた。
予知夢かもしれない。
胸がザワつく。
夢の中の友貴の哀しそうな顔が
後ろ姿が
ハッキリと刻みこまれていて
息苦しいほどに切ない。
ふと
昨夜、友貴が泊まったことを思い出して私は客間へと歩いた。
客間のドア。
ノックしようとして、やめた。
まだ眠ってるかもしれない。
昨夜かなり飲まされたっぽいし。
そっと、ノブに手をかける。
鍵はしまってなかった。
音をたてないように部屋に入る。
友貴は気持ち良さそうに
布団にくるまって眠っていた。
寝顔は見慣れてるはずなのに
場所が違うだけで
別人のように感じるのはなぜだろう。
愛しさが増す。
私は布団の中にもぐりこみ
友貴をぎゅっと抱きしめた。
「…彩ぁ?」
友貴は寝ぼけまなこで
私を抱きしめ返す。
息を大きく吸いこむと
私の肺は、友貴のにおいに満たされる。
「友貴」
「…ん?」
「抱いて」
「…」
ほんの数秒、間があって
友貴はいつもよりもそっと
こわれものに触れるかのように
優しく私を抱いた。
私の気持ち
友貴はわかったのだろう。
友貴に抱かれたら
友貴の子が産まれる気がした。
友貴もきっと
同じことを想ってた。
小さな小さな赤ちゃんを
私は抱いていた。
赤ちゃんは
すやすやと眠っている。
友貴がいつのまにか隣にきて
赤ちゃんを
愛おしそうにのぞきこむ。
二人で
微笑みあうと
赤ちゃんが大きなあくびをして
目を、覚ました。
その赤ちゃんの顔は
大川さんにそっくりな顔。
友貴は
とても哀しそうな顔をして
黙って、去っていく。
後ろ姿を
私はただ見つめるしかなかった。
ごめんね。
ごめんね。
ごめんね。
Pipipipipi…
――夢。
目を覚ますと
頬が涙で濡れていた。
寝ながら泣いていた。
予知夢かもしれない。
胸がザワつく。
夢の中の友貴の哀しそうな顔が
後ろ姿が
ハッキリと刻みこまれていて
息苦しいほどに切ない。
ふと
昨夜、友貴が泊まったことを思い出して私は客間へと歩いた。
客間のドア。
ノックしようとして、やめた。
まだ眠ってるかもしれない。
昨夜かなり飲まされたっぽいし。
そっと、ノブに手をかける。
鍵はしまってなかった。
音をたてないように部屋に入る。
友貴は気持ち良さそうに
布団にくるまって眠っていた。
寝顔は見慣れてるはずなのに
場所が違うだけで
別人のように感じるのはなぜだろう。
愛しさが増す。
私は布団の中にもぐりこみ
友貴をぎゅっと抱きしめた。
「…彩ぁ?」
友貴は寝ぼけまなこで
私を抱きしめ返す。
息を大きく吸いこむと
私の肺は、友貴のにおいに満たされる。
「友貴」
「…ん?」
「抱いて」
「…」
ほんの数秒、間があって
友貴はいつもよりもそっと
こわれものに触れるかのように
優しく私を抱いた。
私の気持ち
友貴はわかったのだろう。
友貴に抱かれたら
友貴の子が産まれる気がした。
友貴もきっと
同じことを想ってた。