等心大〜tou・sin・dai〜
父は険しい顔のまま
私の顔を見つめている。
小さく息を吐き
こう言った。
「堂々と、産みなさい」
「えっ…」
信じられなかった。
父が、
世間体を気にする父が
そんなことを言うなんて。
「おまえの子供は
私達にとっては孫だ」
涙が溢れてきて
父と母の顔が滲んで見える。
出て行け、って
言われるだろうと思ってた。
怒鳴られるだろうと思ってた。
父の愛情に
私は今まで
気付かなかっただけなのかもしれない。
私が勝手に
父を疑っていただけなのかもしれない。
父はきっと
私が想像するよりも
もっと大きな愛情を
私に持っていてくれたんだ。
私が幼なすぎて
それをわかることができなかった。
「この家で産んで
この家で育てればいい」
そう言うと
父はまた箸を持ち
食事を続けた。
「ありがとう…」
私は
それだけ言うのがやっとだった。
次から次へと涙が溢れてくる。
ありがとう、なんて言葉じゃ
言い表せない。
「…そうね。
お母さんもサポートするから
元気な赤ちゃん産みなさい」
「お母さん…」
「ほら、冷めちゃったじゃない。
しっかり食べなきゃダメよ。
お母さんになるんでしょ」
私はグズグズ泣きながら
少し冷めた料理を口に運んだ。
私達は、
初めて本当の家族になった気がした。
私の顔を見つめている。
小さく息を吐き
こう言った。
「堂々と、産みなさい」
「えっ…」
信じられなかった。
父が、
世間体を気にする父が
そんなことを言うなんて。
「おまえの子供は
私達にとっては孫だ」
涙が溢れてきて
父と母の顔が滲んで見える。
出て行け、って
言われるだろうと思ってた。
怒鳴られるだろうと思ってた。
父の愛情に
私は今まで
気付かなかっただけなのかもしれない。
私が勝手に
父を疑っていただけなのかもしれない。
父はきっと
私が想像するよりも
もっと大きな愛情を
私に持っていてくれたんだ。
私が幼なすぎて
それをわかることができなかった。
「この家で産んで
この家で育てればいい」
そう言うと
父はまた箸を持ち
食事を続けた。
「ありがとう…」
私は
それだけ言うのがやっとだった。
次から次へと涙が溢れてくる。
ありがとう、なんて言葉じゃ
言い表せない。
「…そうね。
お母さんもサポートするから
元気な赤ちゃん産みなさい」
「お母さん…」
「ほら、冷めちゃったじゃない。
しっかり食べなきゃダメよ。
お母さんになるんでしょ」
私はグズグズ泣きながら
少し冷めた料理を口に運んだ。
私達は、
初めて本当の家族になった気がした。