等心大〜tou・sin・dai〜
「私に敬語使わないでください。
一応、年下だし…」
親しくなりたい、という風に
とられてしまうだろうか。
そう思ったが
大川さんは無邪気なようすで
「実は僕もそう思ってました。
敬語だと距離感じちゃって」
「ほら、また敬語」
「あっホントだ」
ふたりで
顔を見合わせて笑った。
「じゃあ、えーと
僕にも敬語使わないで」
「はい。…じゃなくて、うん」
よかった。
これで話しやすくなった。
社会人になってから
敬語は慣れてはいるけど
やっぱり
敬語で話さなきゃいけない相手と
長時間いるのって少し苦痛。
タメ口でよくなったから
力が抜けた。
「あと、西村さんじゃなくて
彩でいーんで」
そう私が言うと
大川さんはパァッと
明るい顔をして
「えっ、いいの?」
と言った。
そのうれしそうな様子に
ちょっと戸惑う。
この人ってば
きっと育ちがいいのだ。
フツーはこんなに
うれしいことは顔に出さない。
ムカつくことは顔に出すとしても。
「友達も、みんな彩って呼ぶし」
とっさにそう言うと
今度はあからさまに
がっかりした顔をした。
「なんだ、友達と同列かぁ」
プッと吹き出してしまった。
大川さんって
子供みたい。
母がいうような人
つまり、父みたいな人じゃ
ないのかも。
「彩さん、クラシック以外で
好きな音楽ありますか?」
「うーん…オフスプリングとか
グリーンデイが好きかな」
学生時代は
クラシックしか聴かなかったが
卒業してからは
いろんなジャンルを聴くようになった。
最近はパンクやメロコアが
好きだったりする。
「僕もグリーンデイは好きだなぁ
オフスプリングも聴いてみよ」
「グリーンデイ好きなんだ?」
「うん、歌詞もいいよね。
マイノリティとかさ」
――マイノリティ。
“少数派”
一応、年下だし…」
親しくなりたい、という風に
とられてしまうだろうか。
そう思ったが
大川さんは無邪気なようすで
「実は僕もそう思ってました。
敬語だと距離感じちゃって」
「ほら、また敬語」
「あっホントだ」
ふたりで
顔を見合わせて笑った。
「じゃあ、えーと
僕にも敬語使わないで」
「はい。…じゃなくて、うん」
よかった。
これで話しやすくなった。
社会人になってから
敬語は慣れてはいるけど
やっぱり
敬語で話さなきゃいけない相手と
長時間いるのって少し苦痛。
タメ口でよくなったから
力が抜けた。
「あと、西村さんじゃなくて
彩でいーんで」
そう私が言うと
大川さんはパァッと
明るい顔をして
「えっ、いいの?」
と言った。
そのうれしそうな様子に
ちょっと戸惑う。
この人ってば
きっと育ちがいいのだ。
フツーはこんなに
うれしいことは顔に出さない。
ムカつくことは顔に出すとしても。
「友達も、みんな彩って呼ぶし」
とっさにそう言うと
今度はあからさまに
がっかりした顔をした。
「なんだ、友達と同列かぁ」
プッと吹き出してしまった。
大川さんって
子供みたい。
母がいうような人
つまり、父みたいな人じゃ
ないのかも。
「彩さん、クラシック以外で
好きな音楽ありますか?」
「うーん…オフスプリングとか
グリーンデイが好きかな」
学生時代は
クラシックしか聴かなかったが
卒業してからは
いろんなジャンルを聴くようになった。
最近はパンクやメロコアが
好きだったりする。
「僕もグリーンデイは好きだなぁ
オフスプリングも聴いてみよ」
「グリーンデイ好きなんだ?」
「うん、歌詞もいいよね。
マイノリティとかさ」
――マイノリティ。
“少数派”