等心大〜tou・sin・dai〜
「ベッドに行こうか」



耳元でささやかれると
イヤとは言えない。

というか
こんなシチュエーションで
断る女がいるのだろうか。
よっぽど嫌いな男ならともかく。





私の答えを待たずに
大川さんは私を抱き上げて
そのまま寝室に連れていく。


ベッドの上におろされ
またキスをされる。
大川さんの首に手を回す。



――こういうのが、
    足りなかった。





友貴とは最近
シャワーも浴びずに勢いで、
なんてなかった。


私を欲しくてたまらない、って
衝動みたいなのが
感じられなかった。


女はいつでも
求められたいと
願っているのに。




そんなことを考えながら
私は大川さんの愛撫に
身をまかせた――
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