等心大〜tou・sin・dai〜
その日は
なかなか眠れなかった。

悶々と
ベッドの中で
ずっと考えていた。



大川さんは
結婚するつもりはないだろう。
今のところ、だけど。


それでも
あのマンションに住むか――。


これはカケだ。多分。

だからなかなか
即答できない。
カケができるほど、
もう若くはないから。






友貴は?
仕事は?
将来は?

問題は山積みだ。




そもそも、
私は大川さんを

愛している――?




好きだ、と思う。
だけど愛しては…いない。多分。



これからどうなるんだろうか。



いろんなことが
次々と頭に浮かんで

私は寝返りばかり
うっていた。
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