等心大〜tou・sin・dai〜
私はその足で
友貴の部屋に向かった。
合鍵で
ドアを開ける。
当然、友貴は仕事でいない。
――掃除でもしてやるか。
窓を開け
掃除機をかけた。
平日の昼間に掃除機かけると
少しは主婦の気持ちが
わかるような気がする。
ブルルル…ブルルル…
ケータイのバイブ音が
鳴り響いた。
――大川さんだ。
当然、消去したから
名前は出ないけど
番号でわかる。
どうしよう。
話すことなんて
いまさらないような気がする。
それとも
勝手に会社に行ったことを
責められる?
別にコワクなんかない。
だって私は
何も悪いことはしてないのだ。
事実を確かめに行っただけ。
ブルルル…ブルルル…
――よし、出よう。
私は深呼吸をして
電話に出た。
「はい」
『もしもし?彩?』
「そーだけど」
大川さんの声は
アセッてるようだった。
まぁあたりまえか。
『さっき会社に来ただろう?』
「えぇ。奥様によろしく」
『そ…それは悪かったと
思ってるよ』
悪かった?
誰に?
奥さんに?
それとも私に?
笑える。
「大川さんは彼女はいないけど
奥さんはいたのね」
『ホント悪かった…
隠すつもりじゃなかったんだ』
「いいのよ。
嘘ではないんだから」
『じゃあまた会ってくれる?』
“また”?
また会って、どうするのだろう。
本当、男ってばか。
「もう会わないわ。
会っても意味ないもん」
『待ってくれ!違うんだ!』
違う?
何が違うというんだろう。
私はもう未練なんかないのに。
友貴の部屋に向かった。
合鍵で
ドアを開ける。
当然、友貴は仕事でいない。
――掃除でもしてやるか。
窓を開け
掃除機をかけた。
平日の昼間に掃除機かけると
少しは主婦の気持ちが
わかるような気がする。
ブルルル…ブルルル…
ケータイのバイブ音が
鳴り響いた。
――大川さんだ。
当然、消去したから
名前は出ないけど
番号でわかる。
どうしよう。
話すことなんて
いまさらないような気がする。
それとも
勝手に会社に行ったことを
責められる?
別にコワクなんかない。
だって私は
何も悪いことはしてないのだ。
事実を確かめに行っただけ。
ブルルル…ブルルル…
――よし、出よう。
私は深呼吸をして
電話に出た。
「はい」
『もしもし?彩?』
「そーだけど」
大川さんの声は
アセッてるようだった。
まぁあたりまえか。
『さっき会社に来ただろう?』
「えぇ。奥様によろしく」
『そ…それは悪かったと
思ってるよ』
悪かった?
誰に?
奥さんに?
それとも私に?
笑える。
「大川さんは彼女はいないけど
奥さんはいたのね」
『ホント悪かった…
隠すつもりじゃなかったんだ』
「いいのよ。
嘘ではないんだから」
『じゃあまた会ってくれる?』
“また”?
また会って、どうするのだろう。
本当、男ってばか。
「もう会わないわ。
会っても意味ないもん」
『待ってくれ!違うんだ!』
違う?
何が違うというんだろう。
私はもう未練なんかないのに。