等心大〜tou・sin・dai〜
――あ。

買い物してくるの忘れた。



友貴の部屋に
着いてから気づいた。


なんか面倒になっちゃったし
今日は外食にでもしよう。




私はテレビをつけて
フローリングの上に
ごろん、と寝転んだ。



そして
真希のことを思い返していた。




私もいつか

汚いアパートに住んでても
安い化粧品を使ってても

あんな風に
微笑むことができるように
なるんだろうか。




自信ない。




私は
もしかしたら結婚には
むいてないのかもしれない。





いや、
“専業主婦”には
むいてないのかもしれない。



今日だって
ごはん作ってないし

ただ真希の家に
出かけただけで疲れちゃって
家事なんてやりたくないや。




むいてないんだ、多分。





そんなことを
ぼんやり考えてたら
友貴が帰ってきた。
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