等心大〜tou・sin・dai〜
「彩〜
これ味見してみて〜」
母は朝から張り切って
友貴のために
シフォンケーキを焼いている。
「別にいつもと変わらないよ」
味見用に小さく切り分けられた
シフォンケーキを口に放り込み
私は答えた。
「高原さん、コーヒーと紅茶
どっちがいいかしら」
「コーヒー党だけど」
そんなの友貴が来てから
直接本人に聞けばいいのに、と
私は少しイラ立つ。
無駄に張り切りすぎなのだ。
『ピーンポーン』
インターフォンの
機械的な音が鳴り響く。
「私、出てくる」
小走りで玄関に行き
ドアを開けると
友貴が少し緊張して立っていた。
「どうぞ。上がって」
「おぉ、おじゃまします」
友貴が
“おじゃまします”の部分を
大きな声で言うと
母が玄関まで出てきた。
「さぁさ、中へどうぞ」
「あ、すみません。
おじゃまします。」
友貴はぎこちない歩き方で
母のあとに続いて
リビングに入っていく。
友貴が緊張したところなんて
初めて見たから
ちょっとおかしかった。
「おかけになって下さいね。
彩、お父さんを呼んできて」
友貴が
「失礼します」
と言ってソファーに腰かけ
私は二階の
父の部屋の前へ行き、
声をかけた。
「お父さん、
高原さんみえたから。」
「あぁ今行く」
先にリビングに戻ると
母の焼いたシフォンケーキと
コーヒーが並べられている。
まだ手をつけていない。
「今来るって」
友貴の隣に座ると
私はコーヒーを一口飲んだ。
これ味見してみて〜」
母は朝から張り切って
友貴のために
シフォンケーキを焼いている。
「別にいつもと変わらないよ」
味見用に小さく切り分けられた
シフォンケーキを口に放り込み
私は答えた。
「高原さん、コーヒーと紅茶
どっちがいいかしら」
「コーヒー党だけど」
そんなの友貴が来てから
直接本人に聞けばいいのに、と
私は少しイラ立つ。
無駄に張り切りすぎなのだ。
『ピーンポーン』
インターフォンの
機械的な音が鳴り響く。
「私、出てくる」
小走りで玄関に行き
ドアを開けると
友貴が少し緊張して立っていた。
「どうぞ。上がって」
「おぉ、おじゃまします」
友貴が
“おじゃまします”の部分を
大きな声で言うと
母が玄関まで出てきた。
「さぁさ、中へどうぞ」
「あ、すみません。
おじゃまします。」
友貴はぎこちない歩き方で
母のあとに続いて
リビングに入っていく。
友貴が緊張したところなんて
初めて見たから
ちょっとおかしかった。
「おかけになって下さいね。
彩、お父さんを呼んできて」
友貴が
「失礼します」
と言ってソファーに腰かけ
私は二階の
父の部屋の前へ行き、
声をかけた。
「お父さん、
高原さんみえたから。」
「あぁ今行く」
先にリビングに戻ると
母の焼いたシフォンケーキと
コーヒーが並べられている。
まだ手をつけていない。
「今来るって」
友貴の隣に座ると
私はコーヒーを一口飲んだ。