等心大〜tou・sin・dai〜
「親父さん、機嫌悪いの?」
小声で友貴が言う。
「別に…なんで?」
「なんか彩、機嫌悪いからさ」
「悪くないわよ。」
苛立っていた。私は。
理由はわからないけれど。
友貴のプロポーズ、結婚、
望んでいたはずなのに。
自分の感情が
なぜかおいつかない。
「お待たせしましたね」
父がにこやかにリビングへ入ってきて
私と友貴の向かい側へ、座った。
「はじめまして。
高原友貴と申します」
友貴は立ち上がり、頭を下げた。
「まぁまぁ掛けて下さい」
父のこんなにこやかな顔、
私は見たことあっただろうか。
ぼんやりと他人事のように
私はその光景を見つめた。
「私は息子ができるのを
本当に楽しみにしてたんですよ」
――父と友貴と母と。
和やかに時間が流れ
顔合わせは終わった。
私が主役だったはずなのに
私はのけものだったような
そんな錯覚。
「次は高原さんのご両親にも
ご挨拶しないとね」
母のそんな言葉でしめくくられた。
マリッジブルーなのかもしれない。
結婚前の、物悲しさ。
認めてもらえてよかったとか
そんな気持ちよりも
私はただ、
ただ淋しかった。
うまくは言えないけれど。
友貴を駅まで送ると
私は疲れて
すぐにベッドに横になった。
小声で友貴が言う。
「別に…なんで?」
「なんか彩、機嫌悪いからさ」
「悪くないわよ。」
苛立っていた。私は。
理由はわからないけれど。
友貴のプロポーズ、結婚、
望んでいたはずなのに。
自分の感情が
なぜかおいつかない。
「お待たせしましたね」
父がにこやかにリビングへ入ってきて
私と友貴の向かい側へ、座った。
「はじめまして。
高原友貴と申します」
友貴は立ち上がり、頭を下げた。
「まぁまぁ掛けて下さい」
父のこんなにこやかな顔、
私は見たことあっただろうか。
ぼんやりと他人事のように
私はその光景を見つめた。
「私は息子ができるのを
本当に楽しみにしてたんですよ」
――父と友貴と母と。
和やかに時間が流れ
顔合わせは終わった。
私が主役だったはずなのに
私はのけものだったような
そんな錯覚。
「次は高原さんのご両親にも
ご挨拶しないとね」
母のそんな言葉でしめくくられた。
マリッジブルーなのかもしれない。
結婚前の、物悲しさ。
認めてもらえてよかったとか
そんな気持ちよりも
私はただ、
ただ淋しかった。
うまくは言えないけれど。
友貴を駅まで送ると
私は疲れて
すぐにベッドに横になった。