初恋日記
はつこい
瑞季は聞く耳も持たず、茜の手を引きずんずん走り去った。
俺は…あいつによほどなことをしてしまったのか…?
瑞季が俺を嫌っているのは
そんなに単純なことじゃないみたいだ…。
こりゃ…根が深そうだぞ。
「戸田瑞季?おまえふった女って、あの戸田瑞季だったの!?」
翌日、腐れ縁の亮佑も同じ、同級生だったから、何か覚えてないか尋ねてみた。
「なぁ…俺あいつに何か悪いことしたっけ?」
「おまえ、覚えてないのか?」
「ああ…何か知ってるなら教えてくれないか?」
「ひっどいやつだなぁ、あんなことしといて忘れるなんて」
「え…!?」
や…やっぱり…俺がしたことはそんなに卑劣なことなのか…!?
「あれは…」
亮佑が語り始めたその時…
「田辺さん、社長がお呼びです。大至急!」
「えっ社長が!?…俺何かしたかな!?悪い寛太、またあとで!」
「あっ、亮…佑ぇ~…」
大事なところでー!何やらかしたんだよあいつ!?
ていうか俺も一体、彼女に何をやらかしたんだ!??
…亮佑のあの様子を見ると、俺は彼女にとんでもないことをしてしまったのかも…
「はぁ~…わからん……。なんで思い出せないんだー……」
ただ…俺が覚えているのは……