初恋日記
「………………」
瑞季は俺の初恋だった…ってこと。
小学校3年の時だった。
転校してきた瑞季に俺は、一目惚れした。
瑞季は早くみんなに馴染もうと、すげぇ頑張ってて…
そんな姿がけなげで俺は瑞季をぎゅっとしたくなっ…
「吉澤さん!?」
「はっはい!?」
「さっきから呼んでるのに…これ書類届きましたよ!」
「あ…ありがとう…」
その時書類を持ってきてくれてた部下の女の子は、恐れたようにそそくさ立ち去った。
…初恋を思い出してた俺の顔がにやけてて不気味だったのだろう。
「…気をつけないとな、うん」
そう…
瑞季はすげぇ頑張ってて、いつもニコニコしてて、みんなに親切で…
俺が消しゴムなくて困ってた時も、自分の消しゴム半分ちぎって俺にくれた。
そんな優しい子に俺は一体何をしてしまったんだ……?
「お疲れさん…」
「あれ?今日は合コン行かないの?もしかしてもう…おい、吉澤?」
小森が何か言ってたけど、俺は上の空だった。
「あ、いた!」
「あ……?」
会社の玄関口に…戸田茜が…
「寛ちゃん、待ってたの!」