晴れた空が見えるまで
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「なるほど、それは怖い思いをしましたね。」
水木さんが親身になって応えてくれる。
そして、いつの間にか私の隣に腰掛けていた赤石さんの手が、そっと私の肩に置かれた。
「安心しな。あんたは俺が守ってやるよ。まあ、それには少しばかりやる気が欲しいから、これから俺とホテーー」
言葉の続きは目の前のお盆で遮られた。
「し〜の〜ぶ〜、邪魔すんなっつったろ!学習しろよ。」
「人助けだと言ったでしょう?いい加減学んでください。」
言い合いを始めた二人に、日常的な光景なのか見慣れた様子で黒部さんと月島さんは肩を竦めた。
「お前ら騒ぐなら外でやれ。うるせーよ。」
チッと舌打ちをしながら黒部さんは煙草を取り出す。
まさに火を着けようとした直前で、月島さんがその煙草を取り上げた。
「何すんだ、ガキ。」
「煙草、体に悪いからやめろって言ってるだろ?それにお客さんの前だぞ。」
「あ?うるせーな、ここでは俺がルールだ。」
「そんなこと言ってると忍に頼んで、史郎の晩飯だけ貧相にしてもらうからな!」
何とも可愛らしい脅し文句に黒部さんは鼻で笑う。
「発想がガキだな。」
「言ったな?忍、今の聞いてたろ?史郎の晩飯だけ貧相なのにして!」
おやおやと赤石さんと言い合いを止めて、水木さんは黒部さんへと微笑む。
「わかりました、楓と史郎はお粥で十分ですね。」
「はあ!?何で俺まで!?」
と赤石さんは水木さんへと詰め寄る。