【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
ぎゅ、と力を込めていた拳から、ゆるゆ
ると力が抜けていく。
何を、言ってるんだ、この女。
そんな、凛とした瞳と口調で。
……何を言ってるんだ?
「お前、意味わかってんの?」
「わかってるわよ。その代わり、殴って
もいいから私を姫から外して」
───そこまで、して。
そこまでして、姫にはなりたくないと、
こいつは願うのか。
それがどんなに愚かな考えなのかも、知
らぬまま。
「そんなに俺らと……雅と関わるのが、
嫌か?」
「嫌よ」
迷いのない、声。
まるでそれ以外の感情がないかのように
。