【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
───ツマラナイ。
喧嘩を終えた後で真っ先に浮かぶのは、
そんな感情。
つまらなかった。
確かに喧嘩してるその一瞬だけは全部忘
れてしまえるけど、終わってしまえば残
るのは喪失感と気怠さだけで。
弱い奴ら。
やりがいがまるでねえ。
何も得ることなんて無くて。
こんなどうしようもない方法でしか、鬱
憤を晴らすことのできない自分がバカら
しかった。
「……帰りたくねぇ……」
ぽろ、と口を突いたのはなによりの本音
で。
思い足取りで、家へと向かう俺に。
「潰してやる……」
そう忌々しそうに男が呟いていただなん
て、気付きもしなかった。