【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
"K I R I S A K I"と金色のプレートのつ
いた一軒家で立ち止まり、門を開けた。
そしてポケットから鍵を取り出して、鍵
穴に差し込む。
カチャリ、と音が聞こえた時、どうしよ
うもないくらいの嫌悪感に襲われた。
また、この家に帰ってくる自分が嫌だ。
さっさと逃げ出してしまいたいのに、そ
れをする力はまだ、無くて。
子供すぎる自分が嫌いだった。
ドアを開けて、静かにドアをまた閉める
。
スニーカーを脱ぎ捨てて、自分の部屋に
行こうとすれば、リビングから俺の大嫌
いな"あの人"が出てきた。
「中学生がいつまでもほっつき歩くな。
補導でもされたらどうするんだ」
「……うるせぇな」
ソイツを見ることもせずにそう吐き捨て
て、階段を上る。
後ろから、「悠!」と呼び止める声が聞
こえたけど、気付かないふりをした。