【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
「くっ、そ……!」
男は慌ててガードしようと腕を動かすけ
ど───。
……おせぇよ。
───ガスッ!、と鈍い音がして、俺の
拳が男の顔面にめり込む。
そのままソイツはぐらり、と後ろに傾い
たが、倒れることはしなかった。
それどころか───。
「くくっ……」
「……なに、笑ってんだよ」
もう戦う気力なんてちょっとしか残って
ないくせに、そう不気味に笑い出す男。
ぞわり、と背筋に、悪寒が走った。
俺は目を鋭くして、男を睨む。コイツの
仲間も、コイツがやられてるのに、一向
に動き出そうとしない。───いや。
一人……足りない?
さっきまで、この男の仲間は五人いたは
ず。だけど今は四人しかいない。