【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
下品にそう笑った男を睨む。
「てめぇ、マジで……」
「ざーんねんだけどー」
ぶっ殺すぞ、と言おうとしたら、聞こえ
たのは間延びした、神経を逆撫でするよ
うな声で。
男は俺の手を振り払うと、ニッと口角を
あげた。
「桐崎に勝ち目は無いんだよねー」
「……あ゛?」
くい、と眉を寄せた瞬間、その言葉の意
味を知る。
どこから出てきたのか、ぞろぞろと集ま
り出すこの男の仲間らしき人間。
四方八方から、まるで俺を取り囲むよう
にして、バッドや鉄パイプなんかを持ち
ながらやって来る。
……人海戦術、ってやつかよ。
だけど。
「何人居ようがかわんねーよ」
何人居ようが、俺は負けない。
弱いのがいくら集まっても、弱いままだ
ろうから。