【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
重ねてる面影:春希side
その子はあの子じゃないよ──と誰かが
俺を責める。
そんなのわかってる。
ただの甘い幻想。そんなことだって、わ
かってるけど。
それでも重ねてしまう面影。
俺は君に、とても理不尽で、儚い期待を
抱いているんだ。
期待なんて裏切られるものだと、知って
いるのにね。
「……今日は春希なのね」
「そーだよーっ!おはよう麗ちゃん」
ドアから出てきた麗ちゃんは、俺を見る
と少し安堵したような表情を浮かべた。
といっても、ほんのすこしの表情の変化
だから、うっかりすれば見落としてしま
うくらい。
本当に、感情の少ない子だな……。
それにしても、と麗ちゃんをチラッと見
る。