【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
「じゃあせめて最後に……」
(なんなのコイツ…気持ち悪い!)
にへら、とだらしなく口元を緩めた男。
下品な笑い。穢らわしい。
だけど、逃げたいのに……。
がっちりと掴まってしまってて。
男と女の力の差なんて、わかりきってい
て。
「俺、美作さんとキスしてみたいなあ、
って思ってたんだ……」
だんだんと息が荒くなっていく男に、吐
き気がした。
(やだ……!)
こんな男にキスされるなんて、絶対に嫌
だ。
そして、男との距離が数ミリにまで迫っ
たとき。
「───うっせぇな……」
そんな低い声と共に、がさがさと音がし
て、誰も居ないと思っていた所から、人
が起き上がった。