【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~





──コンコン。



「紗智……、入るよ」



白いドアをノックしてからそう声をかけ
る。──勿論、返事は無いけど。



あれから紗智は、大きな病院に移されて
、今も眠っている。



寝顔はとても穏やかで、少し呼び掛けれ
ば、起きそうなのに。



「紗智……」



何度呼んでみても、君は起きない。



紗智の柔らかい茶色の髪の毛に触れる。



「紗智、俺……どうしたらいい?」



このままじゃ、いつか俺、麗ちゃんを紗
智だと信じこんでしまいたくなっちゃう
よ。



麗ちゃんを紗智の代わりになんてしたく
ないのに。



麗ちゃんと居ると、苦しくて。






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