【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
「や……あ、あの…し、獅童さん……」
獅童さん?この人、獅童っていうのか。
「……何してんだよってきいてんだよ」
「……っいや、あの…」
男の声がどんどん弱いものになっていき
、水分が交じったような涙声になってい
く。
……情けない。
いい歳した男が、なんで同じ高校生に泣
かされそうになってんのよ。
はぁ、とため息をついたとき。
「すっ、すいませんでしたー!」
男が、もうほとんど泣きながら脱兎の如
く逃げていった。
それを冷ややかな目で見つめたあと、驚
くほど美しい彼に目線を向けると、向こ
うも私を見つめていた。
「……助けてくれて、ありがとうござい
ました」
そんなことを言いながら、今朝も他のひ
とに助けられたな、と思う。