【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
驚きすぎて、声を少し失う。
どこか気だるげで、憂いを帯びた雅の熱
っぽい瞳に真っ直ぐと見つめられて、胸
が駆け足で騒ぎ出す。
「ちょっと……、寝ぼけてるの?」
そう言ってここから抜け出そうとするけ
ど、両手首をベッドに縫い付けられるよ
うに押し付けられていて、動けない。
いつもはやけに冷たい雅が、今日は寝起
きだからか、熱かった。
「……麗、なんでここにいる」
ちょっと掠れた雅の声。
思わずビクッとしてしまう。やっぱり、
怒ってるんだろうか、と。
「雅がまだ寝てるから……起こしてくれ
って頼まれて…。勝手に部屋に入ったこ
とは謝るわ。ごめんなさ──っ!?」
ごめんなさい、と最後まで言うことが出
来なかったのは、首筋に、雅の唇の感触
を感じたから。