【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~





驚きすぎて、声を少し失う。



どこか気だるげで、憂いを帯びた雅の熱
っぽい瞳に真っ直ぐと見つめられて、胸
が駆け足で騒ぎ出す。



「ちょっと……、寝ぼけてるの?」



そう言ってここから抜け出そうとするけ
ど、両手首をベッドに縫い付けられるよ
うに押し付けられていて、動けない。



いつもはやけに冷たい雅が、今日は寝起
きだからか、熱かった。



「……麗、なんでここにいる」




ちょっと掠れた雅の声。



思わずビクッとしてしまう。やっぱり、
怒ってるんだろうか、と。



「雅がまだ寝てるから……起こしてくれ
って頼まれて…。勝手に部屋に入ったこ
とは謝るわ。ごめんなさ──っ!?」




ごめんなさい、と最後まで言うことが出
来なかったのは、首筋に、雅の唇の感触
を感じたから。





< 208 / 366 >

この作品をシェア

pagetop