【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
もう二度と出てこられないように。誰に
も傷つけられないように。
要らない感情だと、切り捨てたはずなの
に。
「……どうして揺さぶるのよ」
小さくそう呟いて、唇を噛み締めた。
春希の無邪気な笑顔。
仁斗のからかうような表情。
悠の無愛想に硬い表情。
類の柔らかい微笑み。
雅の見惚れるほどの佇まい。
その全てが、色濃く、心に染み付いてる
。忘れたくても忘れられない、まるで呪
術のようだ。
ううん、呪術じゃなくて──魔法。
皆を忘れることが出来ない、そんな魔法
だ。
──なんて、そんなことを考えている自
分に嫌気が差す。