【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
はっきりとした言葉。回りくどいのは好
きじゃないから、別にいいけど。
「知ってるわ」
「うーん、やっぱり君って他の子と違う
。拉致されたっていうのに、なんでそん
なに冷静なの?」
もしかしてこういうの、慣れてるの?な
んて言いながらクスクスと笑う金髪男。
……慣れてるわけがないでしょう。拉致
されるなんて初めてよ。
だけど私は、「助けて」と叫ぶほど、こ
の世界に執着していない。ようは、どう
でもいいのだ。
「……自分がなんで拉致されたかわかっ
てる?」
「悪いけど、心当たりが無いわ」
「そう?じゃあ教えてあげるよ。それは
君がね、獅童雅のお姫様だからだよ」
雅の……。
ああ、そういえば、類が私が今の立ち位
置に居ると狙われるって言ってたっけ。
だから護衛がついてたわけだし。
「君が俺達に連れ去られたって知れば、
龍牙の奴らは君を助けに来るだろ?俺は
それを狙ってるんだよ」