【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
焼き付く鮮血: 類side
いつまでも目に残る鮮血は、俺を解放し
ようとはしない。
それは俺に、恐怖を植え付けて。
そして。
人間の心の脆さを、俺に教えてくれた。
十年前──。
「お兄ちゃんお兄ちゃんっ!見て見て!
お兄ちゃんの似顔絵描いたんだよ!」
「俺のことも書いてくれたの?ありがと
う、千咲」
当時俺は七歳で、妹の千咲(ちさき)は
五歳だった。
当時の俺は、千咲が可愛くて仕方なかっ
た。はっきり言ってしまえば、シスコン
だった。
家族構成は、俺と千咲と両親。
一般的な、四人家族。別に裕福だった訳
ではないが、それなりに平凡且つ幸せな
毎日を送っていた。
そんな俺達四人家族の均衡が崩れたのは
、突然だった。