【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
千咲の返り血を浴びていた俺に、近所の
人も不審に思ったらしく、狼狽する俺に
事情を聞いた。
俺もどうにか事情を伝えると、近所の人
達は、慌てて俺の家へと向かい、警察と
救急車も呼んでくれた。
もう一度、震える足で戻った家は、更に
悲惨な状態だった。
床を埋め尽くす、濃い赤色。
倒れたまま動かない千咲と、腹部に刃先
を刺したまま横たわる、母親。
まるでそこは、地獄絵図だった。
それから、千咲と母親は救急車で運ばれ
ていき、俺は訳がわからないまま、警察
の人に連れていかれた。
警察の人に何を訊かれて、どう答えたの
かもわからない。
ただ、夢の中に居るような……地に足が
ついていないような、そんな気分だった
。
いっそのこと、夢ならば良かったのに。
ベッドに入るたびに、そう思って、そう
願った。