【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
むしろ、そんな母親の腹から産まれてき
たという事実が、怖いとさえ思った。
自分の身体にも、あの母親の血が流れて
いるのかと思うと、吐き気さえ催す。
そして、怯える。
いつか自分も、あんな風になるのではな
いか、と。
愛する男に裏切られたが故に、一家心中
を図った母親。
恋が愛に変わり、やがて狂気へとカタチ
を変えていった、異質すぎる母親の愛情
。
そんな母親のように。恋に狂った母親の
ように、俺も。
何かを失った時──愛するものを失った
時、自分も狂気に染まってしまうのでは
ないか。
そんな恐怖が、俺の中に生まれていた。
それなら、防ぐ方法はただ1つ。
"恋"という感情を、知らなければいい。
"恋"という感情を、捨ててしまえばいい
。