【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
そう言うと、麗ちゃんの瞳が、少し悲し
そうに揺れた。
「類……。類が辛い経験をしたのはわか
ってる。だけど類の考え方は……悲しい
わ」
「悲しい……?」
「まるで、前の私みたい。頑なに心を閉
ざして、感情を殺して……。そんなんじ
ゃいつか、壊れちゃう」
そう言った麗ちゃんの細く透き通った腕
が俺に伸びてきて、そのしなやかな指先
が、俺の頬に触れた。
「類、すっごく辛そう」
泣きそうな顔で、そう呟く麗ちゃん。
辛そう?何故。
だって俺はもう、吹っ切れた筈なんだ。
雅達と出会って、前を向けるようになっ
た筈なんだ。
「私もね、恋なんて愚かな感情、二度と
持たない、って思ってるの。……今でも
、それは変わらない」
麗ちゃんがそう言った瞬間、何故かチク
リと胸が痛んだ。