【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
「だけど類は、恋がどういうものかを知
らないで、恋なんて嫌だって言ってる」
「俺は、」
「類が知っているのは、類のお母さんが
してきた恋だけ。そうでしょう?皆が皆
、類のお母さんみたいになってしまう訳
じゃない」
それくらい、類はわかってるでしょう?
という麗ちゃんの言葉に、俺は何も言え
なかった。
そうだ。実際、俺は母親のあの狂気的な
恋愛しか知らない。
この世界は、母親みたいなのばかりじゃ
ないことくらい、知ってる。
だけど。
「だけど、母親の血が、俺に流れてる」
それはどうしようもない事実で、覆す事
なんか不可能だった。
「どうしてそんなネガティブに考えるの
よ。あなたの中には、お父さんの血だっ
て流れてるでしょう?」
「それは……」
「お父さんも、お母さんのように感情的
な人だったの?話を聞く限りじゃ、とて
もいい人そうに見えるけど」