【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
全部、間違ってる。だけどもう否定する
ことも諦めた。否定すればするほど、泥
沼になっていくことを知ったから。
どうせ否定しても、信じてくれないって
、知ったから──……。
「もしそうだとしても、たぶらかされる
方が悪いんじゃない?」
「……っな……!」
「その男にとってあなたは、その程度だ
ったって事でしょう」
そう言うと、更に怒りで真っ赤になって
いく女。
わかってる。
こんな言い方したら、逆効果だってこと
。
「あんたなんか……ッ!」
ぶんっ、と右手が振り上げられるのを、
きっと無表情で見つめている私。
殴るんだったら、それでもいい。
それで気が治まるなら───。
数秒後、恐らくやってくるだろう痛みに
備えて、そっと目を閉じる。