【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
それには驚かなかった。
何も言わずにいきなり抱きつかれれば、
そりゃ多少は驚くだろうけど……この陽
気な声で、それが誰なのかわかってしま
ったから。
ちら、と後ろに目を向けると、視界でゆ
れる赤色。
「……春希」
そう呼ぶと、私に抱きついてきた彼は、
ニッコリと笑った。
「おっはよー♪麗ちゃん!」
自分よりほんの少しだけ高い位置にある
、彼の瞳を見つめる。
ほんと、テンションが高すぎる。
毎日毎日、飽きもせずに私に話かけて、
春希になんの得があるんだか……。
「急に抱きつくの、やめて」
少し目を伏せながらそう言って、腰に巻
き付く春希の腕をそっとほどく。