【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
まったく理解不能だわ、なんて思いなが
ら昇降口へと向かう。
上履きを履いてから、鞄をかけ直すと、
いきなり横から、春希に手首を掴まれた
。
「……なに?」
そう訊きながら、手を振り払おうと少し
手首を捻ってみたけど、強い力でそれを
ひき止められてしまった。
いくら顔が可愛くても、春希も男。それ
に暴走族に入ってるくらいなんだから、
力で敵うわけないのは当たり前だけど。
「……離してくれない?」
「駄目だよ。だって離したら、麗ちゃん
は教室に行くんでしょ?」
「……?当たり前じゃない」
何を言うのかと思えば。
学校に来たんだから、教室に行くのは普
通だし、それが常識。
なのに、春希の言い方だと、それは駄目
みたいな……。