【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
「いや別にそういう意味じゃ……」
「まあ確かに、校長なんて俺らが睨みを
きかせれば、すぐに怯えちゃう弱虫さん
だけどさーっ」
……あら。そうなの。
まあお世辞にも、強そうには見えないわ
よね、と、校長のいつも垂れ下がる眉と
、困ったような笑顔を思い出した。
雅は春希の言葉が不本意だったのか、少
しムッとした表情を浮かべる。
「……俺はちゃんと、頼んだだけだ」
……だから、どんな頼み方をしたのよ。
───そんな言葉は、雅が私の腕を掴み
、引っ張り出した事で喉の奥に消えてい
った。
春希の手はいつの間にか外れていて、今
触れているのは、冷たい雅の手。
そしてそのまま、連れていかれたのは。
「……資料室……?」
そこはもう、使われていないとされる資
料室だった。
それに、ここの資料室に入ったら駄目だ
って暗黙のルールがあるとも聞いた。