【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
私が訝しげにしていたからか、男がニッ
コリと微笑んで、口を開いた。
「俺はね、安西仁斗。いちおー黄龍って
呼ばれてるんだけど」
「おう、りゅう……?」
「んー、やっぱり知らなかったかぁ。ん
まあ、いいや~。ていうか大丈夫だった
?」
そう訊かれて、ああ、と呟く。
多分さっき殴られそうになったことを言
ってるんだろう。
「別に……。助けてくれて、ありがとう
ございました。……じゃあ私はこれで」
そう言って立ち去ろうとした私の腕を、
仁斗がぐい、と掴む。
「……何ですか」
「ねえ、なんでさっき、逃げなかったの
?」
……気付いてたなら、助けてくれなくて
良かったのに。
そんなことを思いつつ、仁斗を見上げる
。