【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
動揺が映る瞳: 類side
誰にだって、知られたくない過去くらい
あるのが普通だ。
彼女だって、そう、俺だって。
あからさまに、彼女の瞳が揺れたのを、
俺は見逃さなかった。
きっと、彼女の隣に座る雅も気付いてい
るだろう。
今まで、滅多に表情を変えることのなか
った麗ちゃん。
それを、そこまで取り乱すほど、彼女の
過去は、彼女を痛めつけているのだろう
か。
じ、と目を逸らさず、麗ちゃんを見つめ
る。
やがて、麗ちゃんは震える唇を、薄く開
いた。
「……調べて、どうするつもり……」
声が、震えてる。
顔が真っ青だってこと、気付いてるのだ
ろうか。