【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
俺を探るように笑みを浮かべながら、そ
う訊いてくる仁斗。
「……さぁ?何も、知らないよ」
まだ。───そんな言葉は、胸の奥に留
めた。
麗ちゃんが俺らを裏切ることがない限り
、調べたりはしない。
過去を知られたくない思いが、強く、痛
く共感出来るから。
過去が今の彼女を作り上げたのなら、そ
れを壊すつもりはない。
ああ、でも───と、雅を見る。
何を考えているのか、俺でさえもわから
ない。いや、誰にもわからないであろう
、俺らの総長。
今何を考えているのか。
───十中八九、麗ちゃんの事だろうけ
ど。
「雅、一応、調べとく?」
でも、彼が調べろ、と言うのなら。
俺は調べる。───それが、俺に与えら
れた唯一の選択肢だから。