【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
「ねえ、雅」
小さくそう呼べば、ゆっくりと、黒い瞳
を俺に向ける雅。
「本当は、理由があるんでしょ」
少し微笑んでそう言えば、雅は目を伏せ
て、口元を少しだけ、緩めた。
「……類は、鋭いな」
それは肯定を表す言葉で。
雅と彼女との間に何があるのか、すごく
知りたいと思った。
「向こうは、覚えてねーみたいだけどな
」
───まあ、その方が、面白い。
そう小さく、どこか楽しげにそう言った
のを、俺は聞き逃さなかった。
「初めて見たな……」
雅が、女の子に興味を持つなんて。
だからこそ、俺も興味深いんだ。
雅の気になる女の子が、どんな子なのか
、ってね。