すっぴん★
「化粧品アレルギーのテストをしたって」
俊介が素に問いただした。
「ええ、そう。女装をしているので、彼はいろんな化粧品を持ってい
るの。それに、彼の妹の化粧品も合わせて、テストをしてもらったわ」
素が、高橋の自宅で行なったテストを思い出しながら俊介に話した。
「で、その結果はどうだった」
俊介が、身を乗り出して素に質問をした。
「それがみんな犯人じゃ無かったわ。凄い数をテストしたのよ。口紅
だけでも、高橋君と妹さんの分を合わせて10本以上あったわ。私の
腕の裏側を、3人の目が一心に見詰めているの。でも、何も変化は無
かったわ」
「やっぱり、化粧品アレルギーでは無かったのか。俺も多分そうだろ
うと思っていたよ。そのテストで、化粧品アレルギーで無かった事が
分かっただけでも、たいした進歩だよ」
化粧品アレルギーで無かったと聞いて、俊介は自分の勘が当たってい
たと思った。
「ええ、テストをして、かなりの可能性で化粧品アレルギーでは無い
事が分かったわ。これだけでも分かって、本当に良かったと思う」
素は心底そう思っていた。