すっぴん★

「ありがとう」

素が店員に礼を言った。

二人は新しい生ビールに口を付けた。


「おいしい・・・。あっそうそう。薬を飲んだ場所だったわね。それ
がね、何と、かおるのゴミ屋敷よ。ここは、もう凄いんだから」

「えええっ!家の中にゴミの山がある、あのゴミ屋敷で。信じられな
い」

ゴミ屋敷と聞いて、俊介が異常に反応をした。


「どうして知っているの。私、彼女の家の中にゴミの山があるって言
ったかしら」

素が腑に落ちない様子。


「た、たしか、そのように聞いた様な・・・」


俊介が慌てて惚けに惚けた。


かおるの家に行った事。そして、家の中で大いに失態を演じた事など
など。到底、俊介は口が避けても、素には言えなかった。






< 111 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop