すっぴん★

「どうかした」


すかさず、素が質問。


「うううん。別に」


俊介は笑みを浮かべる事で、顔の表情を誤魔化した。


「高橋君はゴミの山を見て、むちゃむちゃ感激。そこで、思わず、一
言。いったい何と言ったと思う」

素が俊介に尋ねた。


「何と言ったの」
「その山に・・・」


「その山に」
「登・り・た・い・だって」


素が口を大きく開いて、一言、一言、はっきりと言った。


「登りたい。嘘だろう。蓼食う虫も好き好きだとか言うけど、そんな
野郎、本当にこの世にいるの」

俊介は、到底信じられない。






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