すっぴん★
5話 テストなお泊り
阪神福島駅から、すぐ近くにある素のマンション。
素の部屋は501号室。
二人はエレベータに乗り、素の部屋の前へ。
先に歩いていた素が、ドアの前で急に振り返った。
「ちょっとお願いがあるの」
「ええっ。何?」
予期せぬ素の言動に、俊介が少しどぎまぎして。
「15分位、ここで待っていてくれない」
素が両手を合わせた。
「ここで待つの」
俊介が少し困った顔を。
「家の中を少し片付けたいの」
「気にしなくていいのに」
「あなたが潔癖症である事は、先日、嫌と言う程思い知らされたわ。
私にもプライドがあるわ、それ位なら待てるでしょう」
素が、いいにくい言葉をはっきりと口に出した。その口調から、素の
意志の堅さが、俊介にも十分推察された。