すっぴん★
先日、訪れた平かおるのごみ屋敷とは、月とすっぽん。林檎と腐った
かぼちゃ。
同じ女性で、こうも違うのかと、俊介は驚くばかり。
「待たせてごめんね。急な訪問でしょう。少しは、時間を貰わないと」
素が、俊介を外で15分待たせた言い訳をした。
「凄く綺麗」
二人用の食卓テーブルの椅子に座った俊介が、ぐるりと回りを見渡し
て。
「ありがとう。恥ずかしいわ。何も無いから驚いたでしょう」
素の部屋は、ベッド、食卓テーブル、冷蔵庫のほかは、大きな家具は
無い。
洋服は、備え付けのクローゼットがある。
「ここは、大学を卒業するまで、居るつもり。いつでも引っ越し出来
るように、出来るだけ物は置かないようにしているの」
「俺も、物を置かないのが、住み心地を良くする秘訣だと思う。ここ
の空間って、清潔で居心地がいいよ」
素の意見に俊介も賛同。
「本当。嬉しいわ」
部屋を褒めてもらい、素は大いに気を良くしていた。