すっぴん★
俊介がテーブルの上に、金鍍金のブレスレットを置いた。先日のラブ
ホで付けていた、犯人かもしれない例のブレスレットだ。
「これ、犯人かどうか気になってたんだ」
俊介が、金鍍金のブレスレットを手に持った。
「じゃ、テストしてみる」
素が心を決めた、
「いいの」
「いいよ。万一、アレルギーが出ても、ここなら大丈夫」
素が上腕の内側を上に向けた。
「じゃ、やるね」
俊介が、ブレスレッドを腕の内側にそっと載せてみた。
ずしっとした重みが、素の腕に伝わって来る。
「どう?」
心配そうな顔をして、俊介が素に尋ねた。
「別に」
素の腕に、別段変化は感じられなかった。
「何か感じない」
「何も感じないわ」
「じゃ、こいつは、シロか。嘘だろう」
俊介が、信じられないという顔をした。