すっぴん★
素はピンクの花柄のパジャマ姿。
俊介は、ジーンズの上に半そでの白のTシャツを着ている。
「俊介と一緒に一夜を過ごすなんて、信じられない」
素が、ドライヤーで髪の毛を乾かせながら言った。
「俺も」
俊介が頷いた。
「う・れ・し・い」
ドライヤーの音の向こうに、素の弾んだ声が微かに聞こえて来る。
俊介はドライヤーの騒音にかき消されそうなその声を、一言も聞き逃さ
なかった。
素がドライヤーを元の位置に置き、また戻って来た。
「俺、下で寝るから」
俊介が、素のベッドに目をやりながら呟いた。
「下に・・・。一緒に寝ようよ。俊介の顔を見ながら眠りたいの」
「分かった」
二人はベッドに横になった。