すっぴん★
「気にしなくていいよ。俺はすっぴんが好きなんだ。厚化粧したけばい
女なんか、心底ごめんこうむりたいね」
俊介が本音を吐露した。
「ありがとう」
素は、俊介の言葉が飛び上がるほど嬉しかった。
アレルギーが頬に出て以来、素は化粧をした事が無かった。
化粧がしたくて、したくて、狂いそうな日も何度かあった。
我慢のち我慢。
女ですもの、綺麗に見せたいのは当たり前。
それを諦めてから、異性に対して、どこか引いている自分が同居してい
た。
異性に対して憧れはある。大いにある。でも、素地を受け入れてくれる
異性が、果たして存在するのか。大いに疑問だった。
それが、それが・・・。
(ありがとう)
素は、俊介にもう一度心で礼を言った。