すっぴん★
「男と女の相性。それって、誰を思い描いて言っているの」
思わぬタイミングで、素が相性と言う話題を。
俊介は、その話題に話を合わせた。
「例えば、かおると、高校時代の同級生の高橋君。あの超ずぼらのかお
ると、女装の高橋君がよ。信じられる。絶対に信じられないわよ」
二人の相性を話し出すと、素の目が異常に輝き出した。
「確かに」
俊介は、同意をするには同意をした。が、素の高校時代の同級生には、
俊介は会った事も無い。彼の事は、女装をしている以外は良く分からな
い。だが、平かおるの事は、俊介は誰よりも良く知っている。
ごみの山の中で、平気で暮らす反吐が出る超ずぼら女。
今、思い返しても俊介は胸が悪くなり、すっぱい物が込み上げて来る。
あんな女を好きになり、事もあろう抱く男がいようとは・・・。
蓼食う虫も好き好き。
相性が良いというよりは、変態同士、類が類を呼んだだけ。
俊介はかおるを思い描き、心の中で二人をこてんぱんに罵った。